彼女に逢えるかもしれないんだ。
このチャンスを見逃すわけにはいかない。
俺が高校生になるのは後三年半後。
ものすごい先の話だけど、俺が希望が丘に行けば、百パーセントに近い確率で彼女に逢うことができる。
「……俺、絶対希望が丘に行きます」
この辺で一番偏差値が高かろうが関係ない。
俺にとって第一優先なのは、彼女と逢えること。
そのために勉強を頑張ることなんか苦にも思わない。
昔だって母さんを喜ばせたくて勉強を頑張っていたんだから。
「……きみならそう言うと思ったよ。だからこんなこと、教えたんだけどね……」
光さんは優しい笑顔を浮かべながらそっと目を閉じた。
…?彼女のことを考えているのか……?



