……第一、自分で言っていて悲しいけど、彼女が俺のことを覚えているとは限らない。
俺の存在は覚えていたとしても、まず顔までは覚えていないだろう。
そこは一応……覚悟している、つもり。
「……ありがとう。うーん、どこから話そうかなぁ……」
少し悩むようにしてから光さんは彼女のことを教えてくれた。
本当の家族のことや、年齢、本来の性格。
それから、今は光さんと二人暮らしだということ。
色々あって人間恐怖症&人間嫌いなこと。
そのせいで小学校には通えていなくて、中学も今のところは通えないだろうこと。
十分すぎるくらいたくさんのことを教えてくれた。
でも……一つ、気になったことがあった。
本当の家族については母と父と兄と姉と妹がいたと言っていた。



