もう一度だけ、キミに逢いたい。


正直いまいちピンとこなかった。


俺は自分のことを大人っぽいと思ったこともかっこいいこともなかったから。


ただし、男女関係なく、綺麗な顔をしてるねって言われたことは結構あったから、かっこいいというのはまあ、人によってもそう見えるのかもしれないとは思った。


でも大人っぽいというのは分からなかった。


そもそも大人っぽいっていうのは、どういうことを指すのか…




「……きみってわりと自分のことには無頓着なんだね」


そう言いながら光さんはクスッと笑った。


無頓着…


「…それ、前に友達にも似たようなこと言われました…」


そう、拓海と創に、お前は自分のことに疎すぎるって。




「…なるほど。友達もきみのことよく見てるんだね」


「はい、二人とも俺のことをよく分かってくれるいい友達です」