もう一度だけ、キミに逢いたい。


あいつも一目惚れの経験でもあったのかな……って、それは俺の知ったことじゃないか。


俺も、わざわざ自分から他人の色恋沙汰に首を突っ込むほど興味があるわけでもないし。




呑気に考えごとをしながらも、本当は彼女に逢いたいという想いは日に日に強くなっていた。


今もあの時みたいに泣いていないか、とか。


まああの時は実質俺が泣かせてしまったようなものだけど、今度会った時は笑顔を見せてほしいなんて、すごく図々しいことを考えていたりもする。




けれど、純粋に見てみたいと思うんだ。


あの泣き顔や苦しそうな表情しか見せてくれなかった彼女が、どんな風に笑うのか…


そして、あわよくば俺の手で笑わせたい、と…




彼女が背負っているものは俺の何倍も何倍も苦しいものだとは分かっていても、それでも尚そう思うし、どれだけ時間がかかっても絶対に彼女のことを諦めたくはない。