* * *


それから一年。


俺は小学6年生。


確信とは裏腹に、相変わらず光さんとその妹の友梨乃という少女には会えずにいた。




ただ、この一年で俺は大きく変わった。


俺は生まれて初めて『恋』というものをした。


いや、恋心を自覚したと言った方が正しいか。


だって相手は、一年前に一度きりしか会ったことのない公園で泣いていた光さんの妹の、友梨乃という少女なのだから……




一年前、あの公園で光さんと友梨乃という少女に会った日の後。


俺はことあるごとにによくあの少女の顔を思い出すようになった。


特に初めて見た時の彼女の顔を。


気づけば彼女のあの泣き顔が忘れられなくて。


そのせいか、時々あの時の夢も見るようになってしまった。


最初は出逢いが印象深すぎたせいだと勝手思い込んでいたが、ある日突然『恋』という単語を聞いてようやく自分の気持ちを自覚した。