「……ないものを数えるより、あるものを数える方が幸せになれる、か……。そっか、すごく芯が強くて素敵なお母さんなんだね……」
「あ、ありがとうございます……」
ちょっとびっくりしたけど、母さんを褒められたことは素直に嬉しかった。
「ふふっ、そんなお礼を言われるようなことは言ってないよ。ただ純粋に素敵なお母さんなんだって思っただけだから……」
光さんは気づいていないようだったけど、その横顔はどこか寂しげだった。
そのことについては気になったけど、踏み込んで聞くことはできなかった。
光さんも光さんなりに色々とあるのだろうから。
「わっ……もうこんな時間だ。そろそろ帰らないとっ…」
……ほんとだ。
この公園に来てからもう一時間も経ってる…



