「大丈夫だよ、なんて無責任な言葉は言えない。でも……こんな私で良ければ話くらいは聞けるよ。人間、一人で抱え込むよりも、誰かに話を聞いてもらうだけでも楽になることってあるから…」
優しい表情に優しい声。
そして、俺の気持ちを汲み取った上で、寄り添うような言葉をかけてくれる光さん。
ああ……この人は、母さんと同じように他の誰かの気持ちに寄り添える人なんだ。
今は自分のことで精一杯な俺だけど、いつか光さんみたいにこうやって人の気持ちに寄り添えるような人になりたい。
そんな気持ちが芽生えた瞬間だった。
そして、母さんが死んで以来、誰にも打ち明けることができなかった本音をたくさん聞いてもらった。
話にまとまりもなくて自分でも途中何を言っているのか分からなくなってしまったけど、それでも光さんは最後まで話を聞いてくれた。



