「え……光ちゃん…?」
なんで泣いて……
そう思った次の瞬間、光ちゃんがギュッとわたしを抱きしめてくる。
えっ…えっ……光ちゃん、一体どうしたの……?
「ゆりちゃんがっ…ゆりちゃんがっ…自分のために生きようとしてくれてる……っ」
…っ……
光ちゃん……
わたしは何も言えなかった。
それは自分でも分かっていたから。
今までは何をするにも、自己保身のためか、光ちゃんのためかしか考えていなかったし、光ちゃんにそれを隠す気もなかった。
隠してもどうせバレてしまうんだから。
だから、光ちゃんをすごく心配させていたことはもちろん、苦しめていたことも知っていた。
でも他にどうすればいいのかも分からなかったんだ。



