もう一度だけ、キミに逢いたい。


……だって、だって……キミの温もりに触れてしまったから。


キミと過ごす時間を心地よいと感じてしまったから。




………キミに心を許してしまったから。




わたし、わたし、伊織くんのことが……───






どうして……どうしてよ………っ。


“やっぱり”わたしのこと、嫌いになったの……?




でもっ…もしそうだとしても、わたしにキミを責める権利なんてないことくらい分かってるっ……


分かってるよ……わたしは伊織くんの告白を断ったんだから。


伊織くんの気持ちに口出ししちゃいけないって。


だけど……今のわたしの気持ちを正直に表すとしたら。




………苦しい、辛い、寂しい。


少し前までは、伊織くんに会わないことが日常であり、そのことに特に何をか感じるわけでもなかったのにっ……


今では、伊織くんに会えないという事実がこんなにも重く、胸に何本もの矢が突き刺さるような感覚だった。