「和臣さん。実は、私……柊さんと同棲する事になったんです」
「え、そうなんですか!?よかったですねー!それなら、柊さんも安心するでしょうね」
「えぇ。柊さんの様子を監視するとの事だったのでお伝えしておきますね」
「ありがとうございます。風香さんもいろいろあったので、柊さんも心配だったと思うので。俺も安心しました。逆に風香さんが柊さんを見守れますしね」
「えぇ。私もよかったなと思っています」
「風香さんは体調は大丈夫ですか?柊さんが、すごい頭痛で倒れて事があったって言ってましたけど………」
風香の部屋が荒らされた後の事だろう。
後輩である和臣に相談するぐらいに心配だったのだろう。けれど、あれからはもう薬も飲んでいるからか、何事もなく生活していた。
きっと強い恐怖や不安によるストレスのせいだったのだろうと風香は思っていた。
「大丈夫ですよ。あれきりなので。和臣さんから貰ったサプリメントのおかげかも」
「あ、あれいいですよね?実は多めに持ってるので、差し上げますよ」
「私も持ってるので大丈夫ですよ?」
「いいんですよ!可愛い風香さんにプレゼントさせてください。あ、誕生日プレゼントって事で!」
風香の誕生日が最近あった事を知っているという事は、きっと柊が和臣に何か話したのだろう。そう思ってしまう、妙に恥ずかしくなってしまう。
そんな風香を気にする様子もなく、和臣はガサガサと自分のバックを漁っていた。
「あ、これこれ……」
そう言って、彼が取り出したのは小さな黒いポーチだった。そこを開けると、風香がいつも服用している薬が入っているのがわかった。
そこからいつもの白のカプセルを取り出した時だった。
他の薬が混ざってテーブルに落ちた。
その薬を見た風香はそれに視線が釘付けになってしまう。
そこにあったのは、ピンクと薄紫色のパステルカラーのカプセルだった。