そう言って柊はまた髪を撫でてくれる。
 彼に何も言われなかった事にホッとしていると、柊はまた風香の顔の横に腕を置いて、覆い被さるように体を移動した。


 「もっとって風香ちゃんは言った、よね?」
 「うん………」
 「俺も、もっと風香ちゃんが欲しいんだけど。いい?」


 柊の言葉に風香は驚いた。
 けれど、風香だって気持ちは同じだ。久しぶりに感じた彼の感覚で、体がまだまだ疼いてしまっている。
 けれど、言葉にするのは恥ずかしいため、風香は柊から視線を外しながら、静かに頷いた。


 すると、柊はすぐに風香の顔に触れ、自分の方を向くように動かす。
 風香が彼の方を見ると、柊の瞳はすでに潤んでおり、また胸が高鳴ってしまう。
 そのまま深い深いキスを何度もされ、風香はまた彼の熱と吐息、そして肌と重みを感じながら、ベットに沈んでいったのだった。








 ベットが微かに揺れ、温かい布団の中に外気が入り込んだのを感じた。
 風香は眠気を感じながらも、うっすらと目を開けた。


 「柊さん………?」
 「あぁ……ごめん。起こしちゃったね。まだ寝てていいよ。昨日は随分遅くまで2人で遊んでしまったから」
 「………遊んだって………」
 「君を感じたのは何回だったかな?んーっと、3回……いや、4.5………」
 「柊さんっ!」


 風香は恥ずかしさのあまりに、声を上げる。すると、声が少し掠れていた。