「んー…」


美斗くんは考えたのち


「わからん」


投げ出した。



「え!ちょっと!わからなくはないでしょ?あの美術室に飾ってある美斗くんが描いた絵のような空の色を出したいの」


私は期待の眼差しを向ける。



「うーん、無理」


キッパリ断られた。


「そ、そんなぁー」


「第一俺もう美術やめてるからねー。それにあの絵の色の出し方なんてもう覚えてないよ」


そう言うと鉛筆の後ろをくわえそっぽを向いちゃった。



…そんなことする人って本当にいるんだ。


でも美術をやめたからとは言え、そんなに急にわからなくなることある?


少なくとも美術は好きだったんだよね?



だったら少しは覚えているはずだけど…。