私が照れていると結杏はあるページで手が止まった。



「これって…」


そう言って見せてきたのは美斗くんを描いた絵。


たしか、私が一番最初に美斗くんを描いた時のやつ。


「それがどうしたの?」


「この絵の人ってもしかして美斗先輩?」


「え!?結杏知ってるの!?」



まさか結杏の口から美斗くんの名前が飛び出してくるとは思わなくて、驚いた。


「知ってるもなにもこの学校じゃあちょっとした有名人じゃん。美術室にも絵がデカデカと飾られてるし」


「あ、たしかにそうだね」


結杏は美術室の絵が美斗くんの絵だって知ってたんだ。


私は言われるまで気づかなかったけど。