「…出られねえんだよ。俺は学校から」
「え?出られないって…?」
「俺はこの学校のユーレイだから学校からはどうやっても出られない。だから遊園地はおろか、学校の外にも行けない」
「うそ…そんな…」
私は悲しみが増す。
学校にいつもいるユーレイなのは知ってたけど、まさか出られないなんて。
美斗くんは はぁー とため息をついた。
「お前にそういう顔させるのは悪いけど、これは仕方ないんだ」
そういう美斗くんの顔もとっても悲しそう。
ここまで言われて「でも遊園地行きたい!」なんて言葉が出てくるほど私は子どもじゃない。
でも正直に言うのなら、めっちゃめちゃ行きたかった。
美斗くんと一緒に遊園地の楽しい雰囲気を味わいたかった。
観覧車にも乗りたかった。
ジェットコースターも2人でこわいこわい言いながら乗りたかった。
でも、絶対叶わない。
『この世に絶対なんてない』なんて言うけれど、こればかりは本当に無理だと思う。
遊園地だけじゃなくて学校の外にも行けないだなんて。
絶望もいいところ。
美斗くんと…どこにも行けない…。

