遡ること昼休み。
「舞空ちゃーん、これいらない?」
お弁当を食べようと箸を持ったところで、結杏に話しかけられた。
「なに?どれ?」
私は箸を置き、結杏の話に耳を傾ける。
「じゃーん!これ」
そう言い私の机に置かれたのは、遊園地のペアチケットだった。
「遊園地じゃん!どうしたのこれ?」
私の瞳はお菓子を前にした小学生のごとくキラキラしていた。
「実はさ、これ親からもらったんだけど、このチケットが使える期間中は全部塾が入っていることが発覚してさ…もう最悪だよね。もったいないから舞空ちゃんにあげようと思って」
「え!くれるのー!?」
「うん!私の分までだれかと楽しんできて!」
そう言って笑う結杏の顔は女神に見えた。
「ありがとう!」
私はチケットを大事に抱えた。
遊園地のペアチケットなんて嬉しすぎる!
私遊園地大好きだもん!
にしても誰と行こうかな…。
と思ったところである人の顔がパッと頭に浮かぶ。
一緒にいくのはやっぱり…