美術室のユーレイ




そんな私を見て美斗くんは笑った。


「わかりやすい反応だね」


そう言って私の頬を両手で包んだ。



「そんな状態でキスまでしたら舞空はどうなっちゃうんだろうね?」



そう言う美斗くんの目は心做しか本気に見える。



う、うそ…。


本当にキスしちゃうの?


ユーレイと?



…む、無理無理無理。


こんなの恥ずかしすぎるよ…!



私は必死に首を横に振る。





すると美斗くんはフフっと笑った。






「冗談。ここまですると舞空を壊しちゃいそうだからしないよ」


そう言うと頬にあった手が離れ、美斗くんはそっぽを向いた。



寂しい気持ちとホッとする気持ちが混ざる。






…冗談に見えなかったけど?


私が「いいよ」って言ったら本当にしちゃいそうだったけど?


それと私ってそんなにやわかな…。