3月14日

「なんか、顔、真っ青だよ」

花奈が心配そうに言う。

「大丈夫だ。なんでもない」

「あっ、忘れてた。そう言えば、健太、高いの苦手だったっけ。ごめん、気づかなくて……」

花奈がギュッとおれの手を握る。

おれも強く握り返して言った。

「花奈と幸せになれるんなら、このくらい、なんともない」

そう言うと、花奈がおれの肩に頭を持たせかけてきた。

花奈の髪の甘い香りが少しだけ、気持ちを落ち着かせてくれた。

観覧車は焦ったいぐらいゆっくり回り続ける。