【真湖サイド】


夜中の1時だけど目覚めてしまった。ボーとしてると、見回りの看護師が来た。


優也さんでも、たっくんでもない?まさか…綾乃さん!?


綾乃さんは、私が血液内科にいた頃の先輩で私をいじめてきた人。金子綾乃(かねこあやの)。26歳。


綾「あら、真湖ちゃん起きてたの?」
 

寝たふりしようと思ったけど遅かった…。


「…はい。でも、どうして綾乃さんが私の見回りしてるんですか?」


綾「本当はあんたの吸入器だけ奪いに来た予定だったんだけど、起きてたのね。」


「…え?…えっと…どういうことですか?」


綾「じゃあ、単刀直入に言うわ。あんた、中村先生のこと諦めてくれない?あんたが中村先生のこと好きなことくらい知ってるんだからっ」


「…な、なんの話ですか?私そんなこと一言も…」