「そんな事、別に気にしなくていいよ。俺は柚葉ちゃんから貰えれば充分に嬉しいし、……それに彼女だって答えてくれて嬉しい」

俺は乗っていたブランコからポンッと跳ぶように降りた。柚葉ちゃんは俺の知らないところで精一杯、気持ちをぶつけてくれてたんだ。柚葉ちゃんが俺を好きになってくれたのなら、もう遠慮はしない。

「大好きだよ、柚葉ちゃん」

両手を広げて、柚葉ちゃんが飛び込んでくるのを待った。柚葉ちゃんがブランコから降りて、俺の胸の内に飛び込んで来た。ギュッと抱き締めている間中、急に降りた反動で跳ね上がったブランコがカランコロンと音を立てていた。まるで、祝福をする鐘の音みたいだった────……。

「……私も大好きよ、優真」

俺は柚葉ちゃんを抱き締める手を緩めて、そっと唇を重ねた。柚葉ちゃんは緊張しているのか、ギュッと力強く目を瞑っていたのが分かったが、それがまた可愛くて、もう一度、唇を重ねた。

柚葉ちゃんの心の中に祥平が居たとしても、それは幼なじみとしての存在に戻ったと確信した。その後は柚葉ちゃんは今まで以上に俺との時間を大切にしてくれたり、失敗したチョコレート作りのリベンジをしたりしてくれた。

手を繋いで帰るのが日課だし、人目を避けての別れ際のキスも欠かさなかった。

リベンジして作ってくれた生チョコは甘いけど、ちょうど良い柔らかさだった。勿論、最初に貰ったトリュフも美味しかったけどね!

「んー、優真の唇…甘かった!」

「柚葉ちゃんがくれたチョコ食べた後だったからね!」

バイトがある日は僅かな時間しか会えないけれど、毎日がチョコレートみたいに甘くて濃厚な日々だったりもする────……

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