チョコレートみたいな恋

「私さ…、柚葉ちゃんみたいに可愛くなりたいのに可愛げもないし、愛嬌もないし…。たまに思うんだ、祥平が好きになってくれたのは奇跡だったんだな、って」

「奇跡なんかじゃないよ。紗夜は充分に可愛いし、俺の他にも狙ってた奴はいっぱい居たんだよ。俺こそ、選んでくれて有難うって思う」

「……ん、」

祥平は今にも泣き出しそうな私に優しいキスをくれた。何度目のキスだろう?

「紗夜が柚葉の事を気にしてるなら、ごめん。柚葉は幼なじみだから、今更切り離せない。それでも……いい?」

「わ、私も柚葉ちゃんは大好きなの。でも、でもね…、小野君と一緒に居る柚葉ちゃんを見て祥平君がヤキモキしてるのを見るのが最近、辛い…」

完全に私の感情がヤキモチだと言うのは自分でも分かってるよ。私は理解のある振りをして、クールに装っていたって、心の中はドロドロに溶けているチョコレートみたい。そんな自分が気持ち悪い。

「ごめんね、紗夜を知らない間に傷付けてしまって。でも、本当に柚葉に恋愛感情はないから!女の子としての好きは紗夜だけだよ」

私は静かに涙を流し、祥平君がそんな私を覆い隠す様に抱きしめた。

祥平君の気持ちは知ってるのに、どうして確認なんてしてしまったのだろう。

「これからも傍に居て下さい」

初めて祥平君と過ごすバレンタインデーはほろ苦く、ほんのり甘いチョコレートの味だった。

「……はい」

私は聞こえるか聞こえないかの声で返事をして、祥平君はもう一度、私の唇にキスを落とした。

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