式の後私たちは二人で帰ることになった。

帰り道にかなたは花屋へ寄って花束を買っていた。

「そのお花どうするの?」

かなたは花を見て呟いた。

「交差点に」

二人で真衣が、巻き込まれたという事故現場にいった。

かなたは電柱に花束を立てかけて写真を見ていた。

そしてかなたは私に写真を渡した。

「この写真もういらないから。」

「え。」

私は予想外言葉に困惑した。

「優。
先帰ってくれないかな。
ここで一人にさせてほしい。」

「わかった。」

もう当たりが暗くなってきていて車のライトで交差点が照らされている。

私は背を向けて歩き出す。

やっぱりかなたには真衣しかいないんだ。

入る隙なんてないんだ。

そう思い知らされている気がして。

大粒の涙が溢れる。

でも、伝えたい。

かなたを隣で支えていきたい。

そう思ってきた道を戻る。