○優


電車の中でかなたは、真衣の写真を見て会いに行くから待っててねと呟いていた。

式場へ着いた私たちは、バラバラになった。

本当は、ずっとかなたが好きだった。

でも、それ以上に真衣が好きだった。

嫉妬もした。

でも、二人には入る隙なんてなかった。

真衣が好きだったからこそ。

かなたに対する本当の気持ちを誰にもいえなかった。

真衣。

今まで私耐えてきたの。

もう、泣いていい?

真衣を想って、かなたを好きな気持ちを我慢してきたこと。

大切な親友をなくしたこと。

いろんな気持ちが込み上げてきて、私は式場で泣き崩れた。

それを支えてくれたのはかなた。

ずるいよね。

でももう立ち上がれないの。

真衣がいないこと世界では彼に頼らないと。

「かなたは強いね。」

「強くないよ。
ただ涙が出ないだけ。」