二度目のクラクション

私は部屋から出ない。

誰かに様子を見にこさせ、体調が悪いと悟らせたら作戦成功。

そしてこの作戦には母がまんまと引っ掛かった。

時刻は7時。

あの子はどうなってしまうのだろう。

あのまま轢かれてしまうのか。

第一私が助ける必要なんてない。

私とは関係のない子だし、親がしっかり見ていなかったのが悪い。

私があの子のことを気にかけてあげる必要なんてない。

メイク落としで、チークを落とす。

本来なら家を出ないといけない時間が近づく。

私が、あの子を心配する必要なんてないんだ。

誰が死のうと関係ない。

なのに何故か制服に着替えて家を飛び出していた。

なんで。

飛び出したのはあの子なんだから、命に変えてまで守る必要はない。

なんで。

でも、わたしに守れる命があるんだ。

きっと私よりも長い人生を送るはずのあの子を見捨てるわけにはいかない。

私にもう未練なんてない。