「じゃあ、また来週だね。」

「今週の土曜日の午後もあけとけよ。
誕生日を祝うんだからさ。」

「うん。わかった。」

先生が教室へ入ってきたのを横目で見て、かなたは自分の席へ帰っていった。

やっと、落ち着いて考えることができる。

なぜ、わたしの記憶と、現実に1週間という時間の差がうまれてしまったのか。

それだけではない、あの男の子のアイスだって、落ちることを予測できていた。

「夢?」

「おい、寝言は寝てからにしてくれよ」

先生に注意されて教室の視線がこちらに集まる。

「すみません。」

わたしがそういうと、教室は笑い声に包まれた。

でも、夢で間違い無いだろう。

じゃあ、もしかして、かなたからの誕生日プレゼントは、ピン留めだったりするのだろうか?

いや、そこまで一緒だと怪しく思えてくる。

解決したはずなのに、心の中のモヤモヤは取れないまま放課後を迎えた。

「かなた、帰ろ。」

「あ。ごめん。
今日は一緒に帰れない。」

「朝、言ってた用事ってやつ?」

「あー。それそれ。」