「次の試合レギュラーに選ばれたからって調子乗ってんだよ。」

何も知らないくせに。

「まじうぜぇ。」

カチンときた。

今までの私なら聞かなかったことにしてこの場を立ち去る。

でも、もう失うものなんてない。

もう怖いものなんて何にもないから。

ガラガラガラ

「かなたの彼女さん。」

「はじめまして。」

「かなたを探してるのか?」

「あなたたちに言いたいことがあって入っちゃいました。
かなたが休んでいるのにはきちんとした事情があります。
まだいえないですけど、かなたを待ってあげてください。
それからこれからもかなたをよろしくお願いします。
かなたのことは任せました。
それでは失礼しました。」

ドアを閉める時に中の様子を見ると二人ともぽかんとした表情で見つめあっていた。

私はそれがおかしくてクスクス笑ってしまった。

5.6限目はサボって空き教室の探検を続けた。

途中先生に見つかっては追いかけっこをして楽しかった。