「聞くよ。
いや、ちゃんと話して欲しい。」

かなたの目を見てしっかりと伝えた。

「死ぬんだ。」

まさかとは思ったけど、やっぱりそういう話だったんだ。

「かなたが?」

かなたは首を振る。

「じゃあ誰が?」

「真衣が。」

目の前が真っ暗になる。

「何を言ってるの?
私はこの通り生きてるよ。
こんなに元気いっぱいなんだから死ぬわけないでしょ。」

「確かに君は僕の前で…」

そこまでいうとかなたは大粒の涙を流した。

「かなたの前で何?」

かなたにそう尋ねようとしたが、店員さんが、近づいてきたのが見えてやめた。

「お待たせしました。
こちらアイスココアでございます。
ごゆっくり。」

店員さんは私とかなたに頭を軽く下げ奥へと戻っていった。

別れ話でもしていると思われただろうか。

かなたが口を開いた。

「真衣は確かに死んだんだ。
僕の目の前で車に轢かれた。
そして何の悪戯か1週間時間が巻き戻されたんだ。
その時に真衣は頭を強くぶつけたから、その時の記憶がなくなってその前の記憶が薄いんだ。」

私は笑った。