「大丈夫か?」

「そのうち治るよ。」

ごめんね。

本気になって心配してくれるから、罪悪感が大きくなった。

「ま、誕生日までに治せよ。」

「え?」

なんの冗談なんだろうか?

「え?じゃねーよ。自分の誕生日くらい覚えておけよ!真衣」

そんなはずはない。だって、かなたから誕生日プレゼントはもらったし、もちろん誕生日は終わってる。

「おーい、体調が悪いんじゃなくて、頭が悪くなったんじゃね?」

「うるさいな。で、今日って何日だけ?」

「10月30日水曜日だけど?やっぱり頭が…」

「悪くなったわけじゃないです」

おかしい。

だって、わたしの誕生日は11月1日だから。

「かなた、今日はどこに行く?」

毎週水曜日は、かなたの部活がオフだから放課後にデートするのが、当たり前になっている。

「ごめん。真衣。
今日は、用事があってさ。」

「そっか。」

断られることは、今まで数回しかなかったから残念だけど、わたしの体調を気遣ったのかもしれないと思うと、少し嬉しくなってしまう。