「え、でも。」

しっかり啜り泣く声が聞こえる。

思い過ごしなんかじゃないきっと何かあったんだ。

「切るぞ。」

「待って、かなた。
かなたが何に苦しんでいるのかはわからないけど、私は力になれない?」

もう何も返事は返ってこないかもしれない。

重いと思われるかもしれない。

でも、本気で助けたかった。

「覚悟ができない。
明日になるのが、1日1時間1分1秒止められない時間が怖いんだ。
どう頑張ったって止められない。
頭の中ではおかしなことを言ってるんだってわかってる。
それでも、本気で時間が止まって欲しいと思ってる。
もう時間がないんだ。」

どう言うこと?

そう聞きたかった。

でも、奥で啜り泣く声が微かに聞こえてきて聞けなかった。

「そっか。
話してくれてありがとう。」

かける言葉が見つからない。

重要な部分が抜けているんだから、なんて言葉をかけたらいいのかわからなかった。