お見舞いに行かなくてはいけなくなり、一緒にいられる時間が減るから、せめてもの償いだったりして。

ありうるな。

それなら、私のことは後回しでいいってちゃんと伝えないと。

そう思って携帯を握る。

でも違うかったらどうしよう。

でも力にならないともうかなたは耐えられないんだ。

私に涙を見せるほど。

意を決してかなたの名前をタップして電話をかける。

プルルルプルルル

「はい。」

「かなた?今大丈夫?」

「あ、うん。」

いつもと変わらないかなたの声にほっと胸を撫で下ろす。

「電話なんて珍しいね。
どうした?」

「かなたのことが突然心配になっちゃって。」

やっぱり思い違いかもしれない。

「かなた聞こえてる?」

「あ、ああ」

「泣いてるの?」

「な訳ねーだろ。」