「うん。たまにはいいよね。
こういうのも。」

二人で顔を見合わせて笑みをこぼす。

神社に関する本を探しながら、かなたに尋ねる。

「かなた。
覚えてる?
私たちの出会った神社。」

「覚えてるよ。」

「なんていう神社だっけ?」

「流符神社(るふじんじゃ)」

「そんな名前覚えられないよ」

馬鹿だもんなとかなたが笑う。

「何か言い伝えとかないのかな?」

あったらそれを書いて提出すれば良い。

「あるよ。」

たった一言かなたはそういう。

「どんな話?」

「この前先生が喋ってたって…それどころじゃなかったか。
てかそれを調べるんだろ。」

「そっか。」

確かにそうだ。

「あったぞ。」

かなたが小声で知らせてくれる。

2人で近くの机に本を置き流符神社のページをめくる。