おちる。

そう心の中で呟いた。

ベチャ。

男の子が持っていたアイスクリームが本当に落ちてしまった。

落ちそうだったわけでもないのになぜかおちると思った。

いや、似た光景をつい最近どこかで見たんだ。

でも、思い出せない。

ばすからおりて、学校へむかった。

「真衣、おはよう」

そう真っ先に声をかけてくれたのは、親友の優。

「おはよう。優」

彼女は、明るくてとても可愛らしい。

優が恋愛に興味がないからか、今まで彼氏がいたことがない。

優のファン曰く、またそこが良いらしい。

「おはよう」

次に声をかけてくれたのは、幼なじみで、彼氏のかなた。

「かなた、おはよう。」

「なんだよ元気ないじゃん！」

まさか、数日前にかなたからもらった誕生日プレゼントをなくしてしまって落ち込んでいるなんて言えるわけがない。

「今日、ちょっと体調が、悪くて。」