泣き出す優。

優を支えるかなた。

神社で一人きりのわたし。

みたくもないものまで見えてくる。

でもこれは、夢ではないということはなんとなく分かってきた。

夢が正夢になるなんて偶然。

滅多にない。

それなのに昨日は、続き過ぎた。

馬鹿げているが、これはわたしに与えられた予知能力なんじゃないかという結論に至った。

今日はバスが2分遅れるんだったっけな?

所々を断片的に思い出すことができる。

いや、予知できると言ったほうがいいのかもしれない。

予知通り、バスは2分遅れてわたしの待つバス停にやってきた。

やっぱり、かなたと優は2人で何かあったんだ。

そんなことを考えると、バスから降りたくなくなる。

いっそのこと、学校の近くのバス停で降りずにこのままどこかへ行ってしまおうか。

ここまできたんだから、学校に行こう。

予知できたのだから、その分何かを変えられるかもしれない。

なんの根拠もない小さな希望を胸に、教室へ入ると、元気いっぱいな優と目が合った。

「おはよう。真衣」