どうしてよぉっ
どうして、あの告白をなかったことにしなくちゃいけないのっ

あたしは、あの告白の返事すらさせてもらえないの?

どうしようもないやり場のないこの想いはどうしたらいいの?
この日1日中泣いて泣いて泣きまくって

翔哉さんと、一緒に居たこの寮にいたくなくて
女子寮の芽実の部屋に急遽駆け込んだ

「愛実!?どうした・・・の?」

「うわぁぁぁん」

泣きながら抱き着いたあたしに
嫌な顔もしないで抱き留めてくれた芽実

「で?篠田先輩と何があったの」

副会長とのこと
家出のことも
たった今の出来事も
全て、芽実に何も隠さないで話した

「なに、それ」

「ひっく、ぅっく」

「先輩も先輩だね。
愛実という婚約者がいながら他に女がいたなんて」

「うっく、でも、きっと」

まだいると思う

「愛実。しばらくはここに居なよ。
先輩の所に帰ってもいいことなんて、何もないじゃん。
寧ろ、男性恐怖症は悪化してる。
伊蕗さんにも京介さんにも伝えておいてあげるから。
休みなよ」

そう言って案内された部屋には、
1人で寝るには大きすぎるくらいのベッド