「ん・・・」

あれ、ここは
目が覚めれば、見慣れた天井と
懐かしい香りと温もり

「起きたか?」

翔哉、さん?
そっか。あたし、帰ってきたんだっけ

「まだ、しんどいか?
いや。しんどいよな」

どういう、事?

「お前丸3日間寝っぱなしだったんだ」

はい!?

「医者が言うには、単なる睡眠不足らしいが
どこか、痛いところとかはないか?」

「な、ないです」

「そうか」

一定の距離を保ったまま話してくる翔哉さん
あまり近づいてこないのは、あたしの為なのだろうか

それは、なんだか寂しくて
ベッドから翔哉さんの所まで行けば

「これ以上近づくな」

え?
今まで聞いたことのない低い声に
戸惑うしかなくて

「俺も、一定の距離は保つ。
昨日俺が言った事も無かったことにしてくれて構わない。
俺も、自由にする。お前も自由にしてくれて構わない」

どうして・・・?

そのまま部屋を出て行った翔哉さん

「・・・っぅぁ・・・
わああぁぁぁぁっ」