「あたしが、学園のプリンセスで、
翔哉さんは、それの婚約者だから、心配してくれてたの・・・?」

「あぁ」

あたしが、婚約者じゃなかったら?
こんな心配も、しなくて済んだの・・・?

「も、いい」

「何が」

「あたしの婚約、破棄していいです」

「何言って・・・」

「もう、あたしに関わらなくていいです」
「愛実。それを、泣きながら
言うのは、反則だろ」

え?
あたし、泣いてたの・・・?

「ついてこい」

「ひっ・・・ぅく・・・」

翔哉さんのマンションの中なのに
引っ張られて、連れていかれたのは、翔哉さんの寝室で


ドサッ
と降ろされたのは、キングサイズのベッドの上

「・・・!?」

「何もわかってねぇな」

え・・・?
「んぅ・・・!?」
ドンドンと胸板をたたくも、キスをやめてくれない翔哉さん
離れるのを許さないとでも言うかのように
方向を変えて、両手であたしを逃がさないようにしながら
続けている、キス

「や、め」

クテンと気を失ってしまった

”逃がすわけ、ねーじゃん”
そう言ったのが聞こえた気がした