「まぁ、翔哉なら、しょうがねぇか」
はい?
「まぁ、愛実をどうこう出来ねぇだろ
今はな」
「まぁ。確かに。俺たちがいるしな」
「あぁ。ほら、着いたぞ。愛実
着替えて来い」
「あっうん」
私の寮の前についた車を横づけにして
私だけ、着替えに寮に入ると
「え?なに・・・これ」
どういう事?
翔哉さんが帰ってきている気配はない
でも、朝は、こんな風になってなかった
「・・・っ」
だだっと走って
「愛実?」
「伊蕗にぃ、怖い。怖いよぉ」
運転席の方に出ていた、伊蕗にぃにしがみついて
泣いてしまった。
あの時と、同じ。同じ状況・・・
「待ってろ。京介。愛実と部屋を見てくる」
「あぁ」
部屋に近づくにつれ、震え始めてしまう私の体
「開けるぞ」
「う、うん」
伊蕗にぃが部屋のドアを開ければ
悲惨な状況の部屋があらわになって
「また、これは」
「どうしたらいい?」
「まかせとけ」
?
伊蕗にぃに、任せちゃっていいの?
伊蕗にぃの方を向くと
すでに、どこかに電話を掛けていて
「俺だ」
「あぁ。悪いな。実は____」
「あぁ。頼んだ」
そう言って、電話を切った伊蕗にぃ
「愛実。休み明け暫くは、違う寮に入ってもらう」
違う寮?
「女子寮だ」
女子寮か・・・
ちょっと、ほっとした。
翔哉さんと、顔を合わせなくて済むんだ



