『菜月、前髪伸びた?』 「少し」 『ハサミ持ってきたから切ってやるよ』 「いいの?」 葵が私の前に立つ。 普通はお客さんの前には立たない。 威圧感があるから。 『ごめん。がっつり顔に髪ついちゃった』 「いいよ」 といいながらもムズムズする。 『かゆい?』 「うん」 それよりそんなに見ないで。 普通に恥ずかしい。 この瞬間が一番ドキドキする。