「馬鹿だねホント。アイジャックでもされてんの?」


はぁ、と溜め息をつきながら弁当箱の蓋を閉める。


大雅と幼馴染として付き合ってきた経験上、これは長引きそうだなと悟ったから。


案の定、その予想は見事に的中してしまうのだった。


「あい、ざ……?お前何言ってんだ?」


お前だよ、何言ってんだは。


あたしは心の中でそうツッコんだ。


「で、用件は?花美ほったらかしてあたしのとこなんかに来て。酷い彼氏さんだねぇ」


からかうようにそう言うと、大雅はぶすっと口を尖らせた。


「んな事言うなよ。花美に関係して、お前にしか頼めない事相談すんだからさ」