結局、またあの角まで送ってくれて。 「楽しかったです。とても。」 私はまっすぐに彼を見つめて言う。 「俺もだよ、ありがとね。」 じゃあ、と歩き出す彼に 「晴日先輩、」 もうすっかり暗くなって、月が見える。 夏の月だ。 「知りたいです。私。 もっと、先輩のこと。」 彼は振り返ってこっちを見る。 「うん、じゃあまたね。」 できれば、1番そばで。