翌朝。
目が覚めると彼の姿はなくて。

『ごめん、朝からバイトだった。
 鍵ポストに入れておいて。お大事に』

テーブルの上に置かれた手紙に目を通す。

私いつの間に眠ってたんだろう。


8時。
今日は3限からだからまだ余裕がある。

私は少しだけ身嗜みを整えると
メモに『お世話になりました。』
と、書き加えて家を出た。


電車を待つ間、晴日先輩のことを考える。

優しくて、よく笑う先輩。
先輩のあの言葉、どう受け取ったらいいの。


私、全然知らない。先輩のこと。

知りたい。
近づきたい。

晴日先輩、また、会ってくれますか。