「…私も、初めてです。」 わたしがぼそっというと彼はこっちを見て そっか、とだけ言った。 なんとなく、目のやり場に困っていると さっき見つけたカメラが目に入った。 「あ…、春日先輩写真撮るんですか?」 私がカメラを指差すと 「あぁ、少しだけ。趣味程度だよ。」 彼がカメラを持ってきて見せてくれる。 距離が、近い。