荷物を持ち忘れ物がないか確認し外に出た。もうこのお泊まりも終わってしまうのかとしみじみとしていると怜がやってきた。

「まだ皆来てないの?」

「うん。もう少しかかりそうだよ」

そっか。と言って怜も黙った。私にとってここは大切な場所となった。

皆との思い出というのもあるが怜と付き合い始めた場所でもある。

「また来たいね」

怜も同じ事を考えていたのかそう言った。

「そうだね!」

皆準備が終わったのか荷物を持ってやってきた。

電車の中は皆疲れ果てたのか爆睡していた。私だけでも起きとかなきゃとウトウトしていると横に座っていた怜が私の頭を肩に乗せて言った。

「俺が起きとくから寝ていいよ」

「ありが…と…」

怜も疲れているはずなのに限界がきて私はそのまま寝てしまった。

駅にもうすぐ着くため起こされた。

「未桜、もう着くよ」

「んーあと5分だけぇぇ〜」

「起きないとキスするよ」

耳元で呟かれ一気に目が覚めた。バッと離れ耳を押さえた。

「あ、起きた」

いたずらっぽく笑っていた。

「もー!からかわないでよ!」

「からかってないよ。起きなかったらしてた」

そういう事を平気で言える人だったのか…。駅で別れて家に帰った。怜は1度荷物を家に置き家へきた。

「「ただいまー!」」

リビングからお母さんが来て出迎えてくれた。

「おかえり。楽しかったかい?」

「うん!楽しかったよ!」

「怜くんも未桜の面倒見てくれてありがとうけ」

「いえいえ。未桜大人しかったですよ(笑)」

「ちょっと!怜まで乗らないでよ!」

もー!と頬っぺたを膨らませていると怜にぶにっと潰された。

お母さんは私たちをリビングに連れていきお茶とお菓子を出してくれた。

「ありがと〜!」