幼なじみに溺愛されてるみたいです…!

春野くんに地図を渡された。各箇所にスタンプが置いてあるのでそれを全て押して反対側の出口から出たらゴールらしい。

行きたい所があるから皆が来るまでそこで待機と言われた。よーいスタート。という合図で私たちは正門をくぐった。

周りが草や木でただでさえ暗いのに廃墟などさらに怖くなるだけだ。しかもここの廃墟は無駄に広い。

学校ぐらいの広さだ。庭も走り回れそうな広さで建物までも少し遠い。

ゆっくり歩いて1分ほどで建物に着いた。

「未桜大丈夫?怖かったら腕掴まっていいからね」

「う、うん。ありがとう」

キィィ。扉の開ける音まで不気味だ。こんな暗闇が3階まで続いてるなんて心臓がもつか不安だ。

「結構それっぽい雰囲気だね〜」

関心したように周りを見ている。

「る、るいは怖くないの?」

「うん。怖いのは大丈夫だよ」

こういう場面で怖がらない人がいると頼もしく感じる。まあ普段も頼もしいけど。

春野くんは出ないといっていたが今すぐ出てきそうな雰囲気だ。

1階から順にスタンプを押して行った。るいの後ろを歩くと後ろも横も気になるので隣を歩いた。

2階にいくと1箇所だけ何故か窓が空いていた。きっと春野くんが仕掛けたんだろう。

順調にまわって私もだいぶ慣れてきたとこだった。

バタンッ!

「なに!?」

私は驚いて叫びそうになった。恐る恐る音がした場所に行くと空いていた窓が風で閉まったようだ。