幼なじみに溺愛されてるみたいです…!

私達は着替え終わり体育館へ移動した。出席番号で横並びなので怜とは横の席で他のクラスの発表を見る。

4組の席の近くに人が集まっている。ほとんどが女子のようだ。どうしたんだろう。

近くまできてみると怜が真ん中にいた。

「さっきのとってもかっこよかったです!本物の王子様でした!」

「王子様付き合って!!」

同学年だけでなく先輩方もいる。モテるって大変…。席に座る道が塞がれてるので反対側に行こうとすると知らない男子が沢山いた。

「あの!さっきの白雪姫役の人ですよね!近くで見るともっと可愛い!」

人が集まってきて晴ちゃんに助けを求めようとすると人に押されて流れてってしまった。

(ど、どうしよう…)

色々言っているが皆同時に話していて何を言っているかわからない。

私は困って両手で落ち着きましょう…とだすが止まらない。まだ席についてというアナウンスまで5分ある。

そのまま立っていると目の前の人に両手を握られた。

(え、何!?怖いっ)

「清水さん付き合って!」

「ごめんなさい!」

断ったが諦めずに言葉を続けている。人の話を聞いてくれない。

今度は後ろからグイッと肩を引き寄せられた。

(今度はなに!?)

ポスっと何かに当たった。顔を上げると怖い顔をした怜がいた。

周りにいた男子は静まった。

「れ、怜?どうしたの?」

「大丈夫?変なことされてない?」

「う、うん。大丈夫だよ」

そっか。とさっきまで怖い顔をしてたのに優しく微笑んだ。それで安心していると怜は私の体を怜の方に向かせて耳を塞いだ。

(え、何も聞こえない)

少したつと耳を塞いでた手を避けてくれた。振り向くと人がいなくなっていた。

「未桜席、座ろっか」

そう微笑んだ。何があったのか聞きづらい。

晴ちゃんは未桜ごめん〜流されて助けられなかった。と晴ちゃんのせいじゃないのに謝ってくれた。

1日目の劇が終わった。私達は5時まで2、3年生が教室で開いているお店に回った。

学祭は3日続く。3日目は高校の生徒だけだ。2日目までは一般の方もいる。

見に来てくれていたお母さんと合流して下校時間も近づいてきてたので私達は家に帰った。