(お母さん!みて!)
(わぁ〜上手にかけたね)
(私大きくなったらお洋服つくる人になる!)
(そっかそっか〜)
(お父さんの服もつくってくれるかい?)
(うん!)


なんだろ、この笑顔の絶えない
美しい家庭は……


(お父さん!お母さん!)
(早く逃げなさい!)(はやく!!)


やめて、やめてよ


やめ…て





ゆき「はっっ、ハァハァハァ」


「まもなく〇〇駅に到着いたします。
開くドアにご注意ください。」


ゆき「ゆめ…か」


ゆきは長い時間電車に揺らされてようやく降りた。


そこは海が広がる静かなまち


なぜここに来たのか、そうあの忌々しい
事件の終結をつげにやってきた


駅から少し歩いて小さなアーケードを通り
破虚になったそこでは大きいショッピングモールにたどり着いた。


出入り口の前には沢山の花束が添えてある。


そこでゆきも手を合わせる


「お母さん、お父さんやっと
あいつが死んだよ。いままでずっと来なくてごめんなさい。来る勇気がでなかったの。
ほんとにごめんなさい。」


ゆきは堪えながらも堪えきれなかった涙を人差し指でぬぐった。


数分見つめたあと帰ろうとした


そのとき


後ろから肩をたたかれた。


「あのゆき…さんですよね?」


「え…あ、はい」


「僕あき、と言います。久しぶり」


「あっあ〜〜」


ゆきは思い出したかのようにふるまったが
頭の中は全然思い出せてなかった。


「僕もこの事件の被害者なんです」


「そうなんですね」


ゆきは怪しそうにその場を笑って去ろうとした。


「僕はまだこの事件終わってないとおもってるんです。」


という言葉にひっかかり立ち止まった


「どういうこと?」


「長くなりそうだからどこかですわってはなしませんか?」



ゆきは不安ながらもすこし聞いてみたいと
おもい、それにのった