気がつくと先生がいなくなっていた。


…いつ、出ていったのだろうか。



「依兎ちゃん」

「えっ」



「って呼んでもいいかな。」


「…いいよ。」


そういうとニコッと笑ってくれた。



「依兎ちゃん体調はもう大丈夫?」


あっ…そういえばもう痛くない。



そう思いコクっと頷く。


「そっか。よかった。でもまた頭痛くなってもダメだから一緒に帰ろう。」




「…いいの?」


「いや、ほんとは俺が一緒に帰りたいだけ。」

と微笑む間宮くんにもう胸が張り裂けそうなくらいドキドキした。




「顔赤いよ。熱が出たのかな。」

そう言って私のおでこにおでこをコツンと当ててきて自分の体温が1度上がった気がした。



「…やっぱり熱いよ。僕が送るの強制ね。」

と少し心配したような間宮くんにダメとは言えなかった。