あの日、君と僕は

それに、と続ける。

「それに、プロの人はもっと上手いよ。」

「でも、その音を出せるのはお前だけでしょ?」

ぱっと俯いていた顔を上げた。

初めて目が合った。

「やっと顔上げてくれた。」

かっと柚葉の顔が赤くなる。

なぁ、と蓮実は意を決して告白した。

「柚葉のことが好きだ。」

彼女目が、みるみるうちに潤んでいく。

「私も」

その声がやけに遠く聞こえた。