あの日、君と僕は

ここの学校は二つの小学校と合併しているから、柚葉の出身である小学校のもう一つの学校から来たのだろう。

美羽や、菜月と同じ学校だったのかもしれない。

あとで美羽に聞いてみようと決心し、読みかけの本を取り出した。

195。
本の端に書かれた数字は、もう少しでこの物語が終わることを意味していた。

もしこの変わらない毎日が終わったら——

考えたって、何も答えは出なかった。

………

「それでは、先週の小テストを返却します。出席番号の最初の人から取りに来てください。」

五時間目、国語。
先週行われた漢字のテストが返される。

柚葉の出席番号は一番だから、早く取りに行かなければならないが、早く結果を見ることができる。

取りに行き、席についてから初めて回答用紙を見る。

10という数字が目に飛び込んできた。

もちろん、十点満点。

勉強は得意なほうだ。
特に数学や英語。

他の教科も定期テストは八割以上は取るが、副教科の体育は苦手。

特に、実技になるとボロが出てしまうのだ。

黒板の前では教師が特に多かった間違いを説明していた。そこら辺は丁寧なのだが、「いちいち面倒くさい先生」と評価されている。

他人から評価されていい気分になるのは人それぞれで、その内容によっても偏りが出る。

「大人しい人」ならまだまだいいほうだが、「面倒くさい人」だと私はちょっと嫌かな、と思う柚葉であった。