「着替えたら、すぐにメシ作るから」

「…いいって、そんなの!それよりも、全身ずぶ濡れなんだから、先にシャワー浴びてきなよ!」


樹をお風呂場へ追いやる。


あたしは、使うことのなかったお菓子の材料をそっとダイニングテーブルの上に置いた。


せっかく買ってきたのに、まさか作らなくなるとは思ってもいなかった。


その横には、家に忘れてきたと言っていた樹のスマホ。