「凛?どうしたの。帰ろうよ。」

目の前には心配そうにこちらを覗き込む幼馴染の二宮 悠がいる。彼は非常に整った顔立ちをしており、女子人気も高い。

「・・・別に毎日私のこと待たなくていいんだよ?」
「帰る方向同じでしょ。それに凛を一人にしたらなにしでかすかわからない。」

私はお前にどんなふうに思われてんの⁉︎私は子供か!

「問題なんて起こさないって。」
「そういうことじゃない。」

別に一緒に帰ろうと約束をしたわけではない。ただ何となく習慣となっていき、今ではルールと呼べるようなところまで来ているだけだ。一度、「この制度を廃止にしないか?」と提案したところ、いい笑顔で断られた。